TITLE スポンサーサイト --.--.--

 

ENTRY
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
TITLE 砂の章06 「宵闇の罠」 2014.07.18

 

ENTRY
 夜闇に溶け込んでいくカダさんの背中を、すっかり酔いの醒めた目で見送り、その姿が見えなくなった時だった。
 何も言葉を交わすこともなく、おれたちは追跡を始める。


 こういう夜道では、レノの夜目が力を発揮する。
 ミコッテ族……特にムーンキーパーは、夜道では灯りを必要としない。だから、カダさんは先ほど灯りも点けずに夜道を歩いていた。
 おれのようなヒューランだったり、エレゼンやララフェル、ルガディンは夜目があまり利かない為、灯りを必要とするが。

 おれたちは無言で、カダ・ト・アンネルの足跡を追跡する。
 その足跡は、かつての文明の遺跡へと続いていた。

<画像>


「この石で……彼を……・」

 背中の背負子から重たげな石を降ろして、積み上げていた。

「これで、みんな無事に…………はッ! 誰かいるのか!?」





「よう、カダ。こんな夜中に、こんな遺跡で、一体……何やってんだ?」

「場合によっちゃあ、検めさせてもらうぜ、カダさん?」

 おれたちが腰に下げた長剣に手をかけると、彼は落ち着きを取り戻した風で降参し、腰に下げた短剣を放り捨てた。
 そしておれたちの元へと走り寄り、耳元で囁く。

「二人とも、明日……明日の朝に、そこの酒場へ来てもらえないか」

「……説明が欲しいな」

「頼む! どうしても助けたい人がいるんだ……!」

 彼の表情は、この暗がりでもわかるほど切迫していて……おれたちは首を縦に振らざるを得なかった。


 ウルダハへの帰り道、彼は──呪術師 カダ・ト・アンネルは、ポツリポツリと呟くように事の次第を説明し始めた。

「先ほどは済まない。実は、自分……いや、俺の知り合いの実業家が、シラディハ遺跡の発掘に乗り出そうというんだ」

「けど、シラディハは涸れた遺跡。……何も出るとは思えない。それに、その噂の出所も怪しくてな……」

「出所?」

「うん……、どうも東アルデナード商会に関係がある人物からそれを聞いたというのさ」

「……ロロリトの犬、ってことか」

「ああ。どうにも臭う。そう思って、俺は友人に同行を申し出たんだ。もちろん、喜んで受け入れてくれた」

「それが、明日?」

「うん、そういうことだね」

 つまり、こうだ。
 カダの友人である実業家は、シラディハ遺跡に眠るという資源を発掘して、貧しい人々に富を分散しようと考えている。
 しかし、それが面白くない東アルデナード商会が、カダの友人を始末しようとしているのではないか。
 それが心配で、前日に仕込みを行っていたのだ、という。

「仕込み?」

「ああ。知っての通り、俺は魔道学が専門なんだけど、ゴーレムの使役術というのがあってね」

「つまり、あの石はその素材ってことか?」

「ああ。友人を──ウルダハ中の貧民を守る為だ、実力行使も厭わないつもりでいる」


 と、その時──

 ガサッ!

「誰だ!?」

 おれたちに気配を感付かせず、話を聞いていたというのか。
 おそらくロロリトの手の者だろう。流石100億ギルの男、優れた間者を雇っているらしい。

「よし、明日の朝、コッファー・アンド・コフィンだな……」

「ああ、すまないけど、力を貸してくれ……レノ、ジーク」

「任せろ。おdれだって昔は貧民、他人事にはできないしな」

「そういうと思ったぜー。仕方ねーなあ!」

「レノだってそう言うだろうに」

「うっせーよ! ……じゃあな、カダ」

「ああ。また明日」


 今度こそおれたちは、笑顔で別れた。
 明日、おそらく体を張って戦うことになるだろう。だが、カダさんには世話になったし、ウルダハの貧民は兄弟も同然だ。
 おれたちが戦わずして誰が戦うというんだ?
 ロロリト・ナナリトの悪政に刃向う若き俊英を、みすみす見殺すわけにはいかない。

 宿屋に帰ったおれたちは、モモディの姉御に頼んでキツイ酒を一杯だけ飲んだ。
 景気付け、っていうやつだ。




後日画像つけるよー。
スポンサーサイト
コメント
コメントを投稿する
 
 
 
 
 
 
 
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。